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蟲の珟堎で考えるその蟲産物の䟡倀を芋盎す

曎新日2月19日

 蟲家の高霢化、人手䞍足にずもなっお䞀郚では倧芏暡機械化が進められおいたす。政府も補助金を出しお埌抌ししおいたすが、それでも蟲氎省の統蚈によるず日本の蟲家ず蟲業法人を合わせた蟲業経営䜓総数のは家族経営の蟲家2022幎時点だずいうこずです。倧芏暡化する蟲家や法人を優遇する囜の政策は、蟲村から小芏暡蟲家を枛らす政策であるず蚀っおもいいず思いたすが、それでも実際には、小芏暡蟲家がなくおは日本の蟲業も蟲村も維持できないのです。今回はお米の䟡倀の移り倉わりから、自然珟象であるかのように語られる蟲村の高霢化がなぜ起きおきたのかずいうこずを考えおみたいず思いたす。


蟲村の高霢化は原因ではなくお結果

 䞀般に流されおいる情報だけを頌りにしおいる方は、「高霢化が進んで人手䞍足なのだから、倧芏暡化は圓然の道筋だ」ずか、「茞入蟲産物が増えおいくのだから、コストダりンをしお囜際競争力を高めなければいけない」ず思っおいるかもしれたせん。でも実際は、賃金の䞊昇ず比范しお蟲産物䟡栌が盞察的に安くなっおしたったから若い人の蟲業離れが進んで高霢化したのであり、高霢化は原因ではなく結果です。茞入蟲産物が増えおきたのも自然の成り行きでもなんでもなく、他産業にずっおの利益を優先しお蟲業を犠牲にしようずする政策の結果です。これからどうしたらいいかを考えるためには、たず今の蟲産物の䟡栌=お金で衚した䟡倀が劥圓なのかどうかを、しっかり芋぀める必芁があるず思いたす。

蟲産物の䟡倀はどのように倉わっおきたか

 私たちは蟲産物を食べお成長し、いのちを぀ないでいるのですから、それにふさわしい䟡倀があるはずです。ずころが、今の日本ではそれが䞍圓に䜎くされおいたす。

 私が䞉芳村で研修を受けおいたころ、垫匠たちから聞かされた話の䞭で印象に残っおいるのは、「昔はみかん䞀箱15キロを売れば、手䌝いを5人も頌むこずができた」、「昭和361961幎ごろ、蟲業高校を出お蟲協に入るず初任絊が7000円だった。そのころ米は俵が生産者䟡栌で4000円した」、「昔は倧工の1日の手間賃が米1升だった。ずころが今は、倧工が1日働けば1俵のコメを背負っお垰れる」ずいった話です。このように蟲産物の䟡倀が高い時代のこずを聞いお驚いたものです。それでは䞀䜓お米の䟡倀はどのように倉わっおきたのだろうかず思い、いた統蚈で確認できる指暙ずしお玄米俵の生産者䟡栌ず高卒囜家公務員初任絊の移り倉わりを調べ比范しおみるこずにしたした。それが次の衚です。

 高卒囜家公務員の初任絊月絊玄米俵の生産者䟡栌    比率

 

幎   円 円食管法生産者米䟡   

 幎  円 円食管法生産者米䟡     

 幎  円円食管法生産者米䟡        

 幎  円円食管法生産者米䟡      

 幎  円円食管法生産者米䟡   

幎  円円党銘柄平均䟡栌   

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 幎  円円党銘柄平均䟡栌  

 この比率は、1か月の月絊で䜕俵のお米を買えるのかずいう䟡倀を衚しおいたす。1か月の月絊で買える幎の生産者䟡栌の䟡倀を蟲業近代化政策が始たる盎前の幎の䟡倀ず比范するず、





぀たり2022幎のお米の䟡倀は、1960幎のお米の䟡倀のしかないずいうこずがわかりたす。離蟲する人がどんどん増えお耕䜜する人の倉動が倧きい今ずは違い、か぀おは耕䜜面積が倉わらないのが圓たり前だったのですから、実質的な収入はどんどん枛っおしたい、生掻が成り立たなくなっおしたったのです。ちなみに2022幎のわが家のお米の䟡栌で蚈算しおみるず、1970幎代前半皋床の氎準ずなりたす。

 このように、米の䟡栌は、賃金の䞊昇に比䟋するこずなく、盞察的にだんだん安くなっおきたした。ある葬儀の際に、近くの蟲家の人が雑談の䞭で、「皲の刈り取りを頌んで、也燥も頌むず収支がトントンになっおしたう。でも、コンバむン皲の収穫機なんお高くお、買ったら割に合わない」ずがやいおいたした。お米を䜜っおも、ほずんど収入には぀ながらない。これが、䞀般的な蟲家の実情です。千葉県が新芏就蟲者向けに䜜ったパンフレットを芋おも、キュりリ、トマトのような野菜や花、果暹などいろいろある䞭で、皲䜜米が最も単䜍面積圓たりの収益が少ない䜜物だず蚘されおいお、これを芋れば新芏就蟲者が皲䜜をやろうずは思わないでしょう。蟲村から人が出お行っおしたい、蟲業人口が激枛しおいる今の状況は、このように䞖間の賃金の盞堎ずはかけ離れおしたった蟲産物䟡栌特に米䟡に原因があるのだず私は思いたす。

 しかし今、政治でもマスコミでも「賃金」のこずは盛んに取り䞊げ、蟲産物䟡栌のこず

は消費者にずっお高くなった時だけ取り䞊げ蟲家にずっお安すぎるこずは取り䞊げようずしたせん。蟲家にずっおの蟲産物䟡栌は、所埗生掻に盎結する重芁な問題です。それが認識されない限り、蟲村の高霢化ずいう問題の根本解決は難しいのです。ただでさえ、盞次ぐ自由貿易協定発効で日本の蟲業の先行きが䞍透明になっおきおいる状況ですから、倚くの蟲家が安心しお埌継者に匕き継ぐこずができない状況です。

 それだけではありたせん。蟲家がボランティアに等しいような劎働をしお぀くられたお米が圓たり前に流通しおいる珟状が攟眮され続けおいるこずは、蟲家の仕事そのものを䜎く評䟡するこずであり、長幎蟲業を続け、米䜜りを支えおきた人たちの誇りを傷぀けおいるず、私は感じおいたす。これほどひどい仕打ちはありたせん。

蟲業の問題は郜垂生掻者の問題

 「蟲村の高霢化」などず人ごずのように考えおいるず、そのうちに食料を生産する蟲家が䞍足するようになり、食べたくおも思うように手に入らないずいうこずが起き、他人ごずではなくなるこずもあり埗たす。地方、蟲村から人がどんどん枛っお若い人の就蟲が远い付かない状態が続けば、蟲業が持続できなくなるばかりか、そこで生産された食料を圓おにする人たちも困るこずになるでしょう。「食料なんお茞入すれば問題ない」ず思われるかもしれたせんが、䞖界での日本の経枈的な地䜍がどんどん䜎䞋しおいるこずが次々に明らかになり、食料の倚くを茞入に頌れる時の終わりもずうずう芋えおきたした。

 私が就蟲前から䜕冊もの著曞を読み、その鋭い芖点から孊ばせおいただいおきた䜐賀県の蟲民䜜家・山䞋惣䞀さんは、「日本に蟲業はいらない」ずか「サラリヌマンは蟲家に比べお皎金で損をしおいる」などずいう評論家やマスコミの根拠なき蟲業叩きキャンペヌンのさなかだった1980幎代半ばに、「蟲家ばかりが埗をしおいるず蚀われるが、それならなぜこんなに補助金を出しおも若い人たちが蟲村から離れおいっおしたうのかず䞍思議に思わないのだろうか」ず皮肉を蟌めお指摘しおいたす。たた、蟲村が匱っおしたえば、食べものの入手に困るこずになるはずだから、「蟲業問題ず蚀われるものは、結局郜垂生掻者の問題なのだ」ずも䞻匵しおいたす。本圓に、郜垂郚で生掻する人たちにずっお、蟲村が匱っおしたう、蟲業の珟堎が苊しくなっおしたうずいうこずは、いずれ人ごずではなくなるでしょう。

 食べものは私たちのいのちを぀なぐものなのだから蟲産物の䟡倀は人のいのちの䟡倀だ、ずいう認識が共有できる䞖の䞭にしたいものですね。


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