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地元で「オーガニック給食を実現させよう!」という動きはじまる


 日本にはすでに人間が直接食べるものだけでなく、家畜のエサも含めて大量の食品が輸入されています。当然、遺伝子組み換えのものもたくさん食べていることになります。2017年には、輸入食品の残留農薬基準が大幅に緩和され、今年の10月にはゲノム編集の食品も無表示で流通できることになりました。さらに今後は、「遺伝子組み換えでない」との食品表示もできなくなってしまいます。貿易自由化が進み、輸入農畜産物が増えていく中で、選ぶことができないという事態がどんどん進んでいくのです。このまま黙っていたらどうなるのでしょうか?

 私は先日東京へ出かけて、「アメリカを変えたママに聞く食の未来」講演会でゼン・ハニーカットさんのお話を聴いてきましたが、その中では実例や研究成果なども報告されました。驚いたことの一つは「現在の急増速度で進めば、2032年にはアメリカの子どもの半分は自閉症になってしまうかもしれない」という警告です。アメリカで起きていることが、これから日本でもどんどん起きてゆくことは間違いないでしょう。

 このような状況の中、地元で「農業と食の安全を考える会」という動きが始まりました。昨晩は、その集まりに呼ばれたので参加してきました。このような問題へ関心を寄せるのは、他所からの移住者ということが多いものですが、今回の活動の中心となっているのは、地元の獣医さんや市議さんなのです。このままでは、子どもたちの将来が心配だから、今の日本の状況に対抗して、身近なところから実践し変えていこうという趣旨で、地元からこのような動きが出てきたことに心強さを感じました。

 昨日の話し合いの中では、まずは安房地区(南房総市、館山市、鴨川市、鋸南町)の幼小中学校のオーガニック給食を地元の食材で実現させることを具体的な目標としたい、との提案がありました。私は正直なところ、このような提案をされるとは思ってもいなかったので驚きました。わが家でこの話題を話していたら、「もしも完全米飯給食を実施している南房総市でオーガニック給食が実現したら、何年か過ぎたころに(残留農薬の多い輸入小麦からつくられる)パンや普通に流通する食材で作られた給食を食べ続けている子どもたちと比べて、健康状態や発達障害などの違いがはっきり分かるようになっていくのではないかな」と妻が言いました。アメリカのママさんからお話を聴いた私もきっとそうなると思います。

 もしも地元でオーガニック給食が実現したら、きっと子育て中の人たちや食に関心のある人たちは喜び、また他所からも注目されることでしょう。そうなったら、農薬や化学肥料を使わない農業をやりたいと思っている人たちも訪ねてくるようになるかもしれないし、ずっと百姓を続けてきた人たちの中にも「地元の子どもたちのためなら」と前向きに考える人も出てくるかもしれません。「オーガニック給食を実現させよう!」という動きは、このように地域を元気にし、ここに暮す人たちを将来にわたって健康にし、そしてわが家が学び大切にしてきた有機農業が地域のために役立つことにもつながることでしょう。

 最近の南房総市議会での質問で、市から「それは不可能だ」という答弁しか得られていないのが現状だそうですが、地域住民の望む声が広がり高まれば、少しずつ現状を変えていくことは不可能ではないと思います。地域の保護者の皆さん、ぜひ一緒に考え、話し合い、行動していきませんか。この地域をより良くしていくために。


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