新規就農した農園の主が、無農薬で栽培するお米のことなど農作業の様子、農業のこと、食べもののこと、世の中の動きについて感じたことなどを綴っていきます。

やぎ農園ブログ

特集記事

September 28, 2019

 先日、台風15号の影響で停電の続く中、三芳村の有機農業の大先輩の葬儀に行ってきました。ほんの4日前にたまたまお会いしたばかりで、まさかこんなに急になくなるとは思ってもいませんでした。普段は寡黙でぶっきらぼうなのに、お酒が好きで、飲んだとたんに相好を崩して饒舌になるという変身ぶりは、いま思い出してもおもわず笑ってしまうほどでした。しかし、ただののんべえではなく、全盛期のころにはどんなに夜更かしして飲んでいても、夏なら5時には畑で収穫をしているという働き者で、野菜作りの名人でもありました。私が以前所属していた無農薬野菜の出荷組合である...

 今回は、やぎ農園のお米とともに毎月お届けしている「やぎ農園 田んぼだより」今月号から転載します。

食料自給率37%の衝撃

 8月7日の日本農業新聞1面の見出しに、私は大きな衝撃を受けました。ここ数年、日本の食料自給率が低下傾向にありましたが、昨年は37%にまで下がったというのです。この数字は、タイ米の緊急輸入で揺れた1993年の大冷害の時の37%と並び、1960年に食料自給率の統計を取り始めてから最低なのです。

 お米については、田んぼで主食用米以外のものをつくると補助金が出るという減反政策が続けられているので、余力があります。それにも...

July 19, 2019

次々と甦る幻の遺伝子組み換え小麦

 遺伝子組み換え小麦(除草剤ラウンドアップ耐性)は、アメリカの農薬・種子メーカー旧モンサント社(現在はドイツのバイエル社に吸収されている)が開発し商業栽培化を目指したものの、主食であるということで世界中の反対を受け、2004年に開発を断念しました。ところが、そのころに試験栽培されていた遺伝子組み換え小麦がこれまでに4回アメリカとカナダで自生しているのが発見され、輸入小麦に混入しているのではないかと大騒ぎになりました。

 7月18日付の日本農業新聞によると、今年6月にもアメリカ・ワシントン州で5度目の遺伝...

June 30, 2019

   地元の南房総市では、完全米飯給食、つまりパンも麺も出ない給食を実施しています。食材もお米をはじめ地元の生産物を増やそうと努力しているということで、今年は生産者向けの「給食レストラン、」

が開催されています。先日、その一つに参加してきました。給食レストランというのは、その日に子どもたちが食べるのと同じ献立の給食を学校で一般市民も味わうことができる企画で、毎年何回か開催されています。食材を給食へ納入することを考えている農家を対象にした給食レストランは初めてでした。

   この日は、まず給食をいただいた後、子ども達が食べている...

June 15, 2019

新規就農当初の戸惑いと苦労

 1997年の春、有機農業を学びたいと思い、何の縁もゆかりもなかった旧三芳村でも暮らしを始めた私。当初は、研修生として受け入れていただいた三芳村生産グループとその提携先である安全な食べ物をつくって食べる会が協力して建設した「みんなの家」の一室をお借りして過ごしていました。その後、以前新規就農した方が建てて住んでいた小屋をお借りして暮らすようになりました。

 最初から心掛けていたのは、地元の行事や作業などには必ず参加するということでした。当初は、世間話の中に出て来る屋号や人の名前、そして聞きなれない方言などに戸...

May 30, 2019

 先日、わが家を訪ねてきた小学生の子にこう聞かれました。すぐに私は「それが自然だと思うからですよ」と答えました。私は、就農するより前に、食べものに関して特にこだわりを持ってはいませんでした。農薬を使っているかいないかということについても。しかし、就農すると決めたときから、やりたいのは有機農業だと思っていました。なぜかというと、害虫などを農薬で全滅させるという考え方を、なんとなく受け容れられないと思ったからです。

高原野菜の産地での体験

 私は、22歳の夏、長野県の有名な高原野菜の産地で働いた経験があります。4ヘクタールの畑で栽培し、1日...

May 23, 2019

 ここ南房総には、いろいろなご縁あって移り住む人がたくさんいます。わが家もそんな方たちと出会いお話しする中で、最近わかったことがあります。この10年ほどの間に移り住んだ方たちは、わが家のある旧三芳村が、日本における有機農業の先駆地の一つとして全国に知れ渡っていたことを知らない、ということです。これは、全く意外なことでした。今回は、私が三芳村で就農した経緯と最近強く思うようになった夢について書こうと思います。

三芳村との出会い

 私が就農の地を探して三芳村を訪れたのは、1996年秋のこと。そのきっかけは、当時農業研修を受けていた茨城県にあ...

May 5, 2019

 書きたい話題はたくさんあっても、なかなか時間が取れなくてブログの更新が遅くなりましたが、ようやく書くことができました。

 いま千葉県いすみ市は、学校給食や有機農業に携わる人、関心を持つ人のたちの間で話題になっています。なぜかというと、学校給食で使うお米を全量有機栽培米に切り換えたからです。これは全国でも先進的な取り組みだということで注目されているのです。私はこの1年の間に3回、いすみ市の事例報告を聞く機会がありました。東京で開催された「全国有機農業の集い」、いすみ市で開催された「生物の多様性を育む農業国際会議」、そして鴨川市で開催さ...

February 28, 2019

 先日、君津市で開催された2019君津里山活動事例発表「きみつ里山のにぎわい」(主催:きみつ里山活動ネットワーク)において、私は基調講演という大役を務めさせていただきました。出来のいい新規就農者ではないので、もちろん成功談などできるわけがありません。それでも、有機農業の面白さを感じながらこだわりを持って生きてきた私だからこそ伝えられることもあるのではないか。そう考えて、この大役を引き受けることにしました。

 当日投影するためのスライドづくりをしているうちに、わが家のこだわり、そして有機農業という世界で生きてきた者から見た今の日本の現状...

February 15, 2019

 先日、隣の鴨川市で学校給食をテーマに開催された「オーガニックシンポジウム」(主催:千葉県有機農業推進協議会)に参加してきました。基調講演が愛媛県今治(いまばり)市の学校給食への取り組みについて安井孝・今治市産業部長のお話、次に事例紹介として学校給食のお米を全量有機米に変えたいすみ市の大田洋市長のお話、続くパネルディスカッションでは鴨川市の半農半歌手Yaeさんが進行役をつとめ、完全米飯給食を実施している南房総市の石井裕市長、オーガニックなまちづくり条例を制定した木更津市の渡邉芳邦市長、そして佐倉市のGrace Farm農園長・高師美...

Please reload