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​もうすぐ農業を始めます。ー 研修生たちの声

遠藤裕作

年齢:1994年生まれ(30歳) 

出身地:千葉県船橋市

前職:会社員

 

なぜ研修を受けようと思ったのか

研修を受ける前は東京で6年間会社勤めをしていました。

2020年のコロナ禍になったあたりから、当時の生活や食になんとなく疑問や関心を抱くようになったこと、さらに妻が難病を患ったことがきっかけとなり、より食に関して考えるようになりました。元々いつかは田舎に移住したいと夫婦共々思っていたので病気のこともあり、まずは仕事を辞めて移住しました。しかし、農業をやってみたいという気持ちはありましたが、親も親戚も非農家な私が農家になるなんて現実には難しそうだし、そもそもどうやったらなれるのだろうかと思っていました。やぎ農園ではパートナー制度があり、何度か農作業のお手伝いに参加させて頂く中で、農業への思いもふつふつと湧いてきて、「まずやってみないと何も分からない」と思い立ち研修を受けたいとお願いしました。

 

どんな研修内容か

現代の農業は、どちらかと言えば大規模な農業を推進している方向にありますが、やぎ農園では、「自給すること」をベースにした昔ながらの丁寧なやり方を教わることが出来ます。

例えば田んぼでいうと、田植えの前には「くろぬり」と言って、田んぼに水を貯めるために畦に泥を塗りつけて水が抜けないようにする作業があります。これを、マンノウとクワをもって手作業で一枚一枚の田んぼを丁寧に行います。現代では、トラクターで行う農家が大半のようです。機械作業での作業の効率性には確かに敵わないと思いますが、その分手作業の方が水持ちは間違いなく良いみたいです。おかげで、素人の私や他の研修生たちがくろぬりした田も水が抜けることはありませんでした。また、大型機械を使うと確かに作業性はとても良いと思います。しかし私のようにたいした貯えもなく新規就農を目指す者にとって、大型機械(コンバインなど)には手が出せません。しかし前述したようなやり方や小型~中型機械を使うやり方であれば、経済的な面も含め新規就農を目指す私でも「やっていけるかも」と希望が持てました。

栽培技術はもちろんですが、畑や田んぼを管理するということ、他の農家との関りなど、

農家として生活していく為に重要な心得も教えて頂きました。また、作業の合間や休憩時間にも疑問を質問したり、八木さんの苦労話なども聞いたりすることができて、そのような時間も大変有意義でした。

そして1年間を通じて、農家の暮らしというものを経験することができます。

 

実際に研修を受けてみてどう感じたか

自分の食べるものを自給する考えの有機農業は暮らしそのものだと実感しました。農薬、化学肥料を使わないことはもちろんですが、有機農業はそれ以外にも自分で作った作物を食べられることの幸福感や地域や消費者との関わり、環境保全、作物を作ることだけではない奥深さを知ることができました。例えば、稲を収穫した後天日干し乾燥させる際に使うのが、竹です。翌年以降に使う竹材を冬に伐る訳ですが、山の地主さんも高齢で竹林を整備しきれない訳です。そういった場所の竹を伐らせて頂き地主さんは整備されることをありがたいと思ってくれる。材料も地域の天然資源を使えるし、環境整備もされるのでいいことづくしです。そういった地域の方との関りや、そこにある資源を使うということも面白い所だと思いました。

また、実際に農の現場で作業してみて、高齢化などによる離農が後を絶たない現状を知りました。このままいくと本当に農業をする人がどんどん居なくなってしまうということを研修中にも関わらず肌で感じました。これから農家が増えていくことが、食や地域を守ることになると思ったので、私もその一員だという自覚を持ってやっていきたいと思います。

 

今後やりたいこと

稲作を生活の軸にし、まずは自分達の暮らしが安定して続けられるようにし、育てた作物を使ったお菓子などの加工品も販売したいです。また、農業や食に興味のある方に作業体験の場を設け、農業の大切さを知ってもらいたいと思います。

​                                         (2025年2月)

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